VPL-VW11HTインプレッション
画質
LCDプロジェクタでは画素間のセパレータが格子状になって見えるという話し
があるが、100インチワイドスクリーンから3m離れてみるとさすがに格子その
ものは見えない。でも網戸を通して風景を見た時に感じる「格子感」みたいな
ものはあるのは確か。この辺はDLPや三管にはかなわない。
画像の投影はシフトレンズで行っているので天吊りの場合はスクリーン最上部
がレンズの中心付近を使い最下部が周辺部分を使うことになる。最下部では多
少コマ収差が出てて左右端は中央部より1cm程度下にはみだしている。実用上
は全く問題ないが100インチスクリーンでこの程度は優秀なほうなのだろうか?
ちなみに色収差は殆ど無いようだ。
ハイビジョン
BSデジタルチューナに繋ぎHD放送を写してみる映して見ると、NTSC放送では絶
対に出ない色が鮮やかにあっさり出てしまった。中でも青の発色は素晴らしい。
青に比べると多少赤が弱い気がしたがサービスモードでの調整で満足いくレベ
ルにすることが出来たので問題はない。HD放送の解像度の高さよりも、圧倒的
な色空間の広さを体験してしまうともうSD放送やアップコンバート物まして地
上波は見れない(笑)。
DVD(コンポーネント接続)
DVDプレーヤーはSAMSUNG DVD-518Jをとりあえず繋いでみた。単なるインター
レース再生の超廉価版プレーヤーだがリージョンフリー化があっさりできると
いう最大の魅力(笑)。これをコンポーネントケーブルで繋いでみる。ハイビジョ
ンにくらべるとさすがに粗が少々出てくるが、スクイーズ収録でエンコードの
優秀なディスクであれば綺麗に写る。逆にエンコードが悪かったりするとブロッ
クノイズが気になるし、さらにレターボックス収録ディスクをズーム表示する
とかなりピクセル拡大で汚くなってしまうのは致し方ない。
VW10HTから変わった点として2-3プルダウン再生を行うシネマモーションが加
わったことが挙げられる。この機能をオートにするとインターレース入力でも
映画再生がプログレッシブ並みになってくれるのがウリ。この機能が使えない
とエンドロールでのクレジットがかなり揺れるのだが、見事に静まっているの
で効果が確認出来る。判定に失敗して機能がON/OFF行ったり来たりすることも
ないようなので、プログレッシブ再生可能なDVDプレーヤがなくてもあまり困
らない気がしてきた。
シネマブラックモード
VW11HTにはLCDプロジェクタの問題である「黒浮き」を抑える機能として「シ
ネマブラックモード」というのが搭載されている。実際はライトの光量を75%
にして若干暗くしているだけの機能でである。従ってコントラスト比が変わる
訳では無く当然黒も沈むが白も沈む(笑)。
かと言って意味が無い機能ではない。このシネマブラックモードを使うとラン
プの寿命はノーマルモードが1500時間なのに対して3000時間と二倍になるので
経済的である。また、ランプを暗くすると冷却ファンの回転数が抑えられるよ
うで排気音が静かになる利点がある。静かなシーンではノーマルモードだとファ
ンの音が気になるので、殆どシネマブラックモードに入れっぱなしの状態で使っ
ている。
2001/10/10